TypeScript 7がGoで書き直される:コンパイル速度10倍の衝撃
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TypeScriptコンパイラがGoで書き直される
MicrosoftがTypeScriptコンパイラをGo言語で書き直すプロジェクト(コードネーム: typescript-go)を進めています。これは単なるリファクタリングではなく、TypeScript開発者全員に影響する大きな変化です。
どれくらい速くなるのか
公式のベンチマーク結果が衝撃的です。
| プロジェクト | 従来 (tsc) | 新コンパイラ (Go) | 高速化 |
|---|---|---|---|
| VS Code | 77.8秒 | 7.5秒 | 約10倍 |
| Playwright | 11.1秒 | 1.1秒 | 約10倍 |
VS Codeほどの巨大なコードベースでも10倍の高速化。日々の開発で型チェックの待ち時間が劇的に短くなります。
なぜGoなのか
「TypeScriptのコンパイラをRustで書き直すのでは?」と予想していた人も多かったはずです。MicrosoftがGoを選んだ理由として考えられるのは以下の点です。
- 既存コードからの移植しやすさ: 現在のTypeScriptコンパイラのアーキテクチャをGoに移植する際、Rustよりも構造的に近い
- ガベージコレクション: コンパイラのようなツールではGC付き言語の方が開発効率が良い
- コンパイル速度: Go自体のコンパイルが高速で、CI/CDパイプラインでの恩恵がある
- Microsoftの技術スタック: 社内でのGoの採用実績
リリースのタイムライン
現時点で判明しているスケジュールは以下の通りです。
- 2025年5月:
@typescript/native-previewパッケージとしてプレビュー公開 - TypeScript 6.0: 既存のTS/JSベースでの最後のリリース(ブリッジバージョン)。2026年初頭リリース予定
- TypeScript 7.0安定版: 2026年中盤〜後半が目標
TypeScript 6.0は「橋渡し」の役割を持つバージョンで、6.1は計画されていません。つまり、6.0の次がGoベースの7.0です。
開発者への影響
エディタ体験の向上
コンパイラの高速化は、そのままエディタの型チェック・補完のレスポンス向上につながります。大規模プロジェクトで「型チェックが重くてエディタがもたつく」という問題が解消されるはずです。
既存プロジェクトの互換性
Microsoftは互換性の維持を重視しています。既存のtsconfig.jsonやTypeScriptコードがそのまま使えることを目指しており、移行コストは最小限になる見込みです。
TypeScriptがGitHubで最も使われる言語に
2025年8月、TypeScriptはGitHubで最も使用される言語となりました(月間コントリビュータ数 2,636,006人、前年比+66%)。GitHubはこれを「10年以上で最も重要な言語シフト」と評価しています。
コンパイラの高速化は、この成長をさらに加速させるでしょう。
TypeScriptの進化に備えて基礎力を固めたい方、またGoに興味を持った方には以下の書籍が参考になります。
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初めてのGo言語 ―他言語プログラマーのためのイディオマティックGo実践ガイド
TypeScriptコンパイラがGoで書き直されたことで注目度が上がっているGo言語。他言語経験者がGoの考え方を効率よく学べる一冊です。
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まとめ
TypeScript 7のGoコンパイラは、日々のTypeScript開発体験を根本的に変える可能性があります。10倍のコンパイル速度向上は、大規模プロジェクトほど恩恵が大きいです。安定版リリースは2026年後半予定ですが、プレビュー版は既に試せる状態です。
参考リンク: