Vite 8のRust製バンドラー「Rolldown」で何が変わるのか
目次
Vite 8ベータがリリース
2025年12月8日、Vite 8ベータが発表されました。最大の注目ポイントは、バンドラーにRolldownが採用されたことです。
RolldownはRust製のバンドラーで、Rollupと互換性を保ちながら10〜30倍の高速化を実現しています。
これまでのViteのアーキテクチャ
Vite 7まではバンドリングに2つのツールを使い分けていました。
- 開発時: esbuild(Go製、高速なトランスパイル)
- 本番ビルド: Rollup(JavaScript製、豊富なプラグインエコシステム)
この構成には1つの課題がありました。開発時と本番ビルドで異なるツールを使うため、挙動の不一致が起きることがあったのです。
Rolldownで何が解決されるか
1. 統一されたバンドリング
Rolldownは開発時も本番ビルドも同じバンドラーで処理します。「開発では動くのにビルドすると動かない」という問題が原理的に解消されます。
2. 圧倒的な速度
Rolldownの公式ベンチマークでは、Rollupに対して10〜30倍の高速化が報告されています。Rust製であるesbuildと同等の速度を持ちながら、Rollupのプラグインエコシステムとの互換性を維持しています。
3. Rollupプラグインとの互換性
既存のRollupプラグインの多くがそのまま使えます。エコシステムを壊さずに高速化を実現するアプローチです。
Vite 7 → 8での変更点
Node.jsの要件
Vite 7からNode.js 20.19+または22.12+が必須です。Vite 8でもこの要件は継続されます。
移行のしやすさ
Viteチームはメジャーバージョンアップでも移行コストを最小限にすることを重視しています。Rolldownの採用は内部的な変更であり、vite.config.tsの書き方が大きく変わることはありません。
Vite+について
ViteチームはVite 8に加えて**Vite+**というプロジェクトも進めています。2026年初頭にパブリックプレビューが予定されており、Viteのさらなる進化が見込まれます。
Rust製ツールチェーンの波
Rolldownに限らず、JavaScript/TypeScriptエコシステムではRust製ツールへの移行が進んでいます。
| ツール | 従来 | Rust製の代替 |
|---|---|---|
| バンドラー | Rollup (JS) | Rolldown (Rust) |
| トランスパイラ | Babel (JS) | SWC (Rust) |
| リンター | ESLint (JS) | oxlint (Rust) |
| フォーマッタ | Prettier (JS) | Biome (Rust) |
この流れはツールチェーンの実行速度がボトルネックになっている証拠です。TypeScriptコンパイラのGo移行と合わせて、「JS/TSエコシステムの実行基盤がネイティブ言語に移行する」というトレンドが鮮明になっています。
今すぐ試すべき?
Vite 8はまだベータ版です。本番プロジェクトでの採用は安定版リリースを待つのが安全ですが、新規の個人プロジェクトで試してみるのは良い選択です。
既存プロジェクトでVite 7を使っている場合、Vite 8安定版リリース後の移行ガイドを待ってからアップグレードしましょう。
ViteやRolldownの背景にあるモダンフロントエンド開発の全体像を押さえたい方には、以下の書籍が役立ちます。
フロントエンド開発のためのテスト入門
Viteをベースにしたテスト環境構築から、Vitest・Testing Library・Playwrightまで網羅。ビルドツールの理解と合わせて開発力を高められます。
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これからはじめるReact実践入門
Vite + Reactでの開発環境構築から実践的なアプリ開発まで。Vite 8への移行を見据えて、現行のVite開発フローを習得しておきましょう。
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まとめ
Vite 8のRolldown採用は、Web開発のビルドツールチェーンにおける大きな転換点です。開発と本番の統一、Rustによる高速化、そしてプラグイン互換性の維持。この三拍子が揃ったことで、Viteの「速い開発体験」がさらに加速します。
参考リンク: